日本放送協会スタッフユニオン NHK 地域スタッフ メイト 労働組合

日本放送協会スタッフユニオン執行本部 大阪市中央区大手前4-1-20 NHK大阪放送局内
業務委託料にかかる消費税問題


  1.事務費にかかる消費税の支払方式(内税方式と外税方式の違い)

 現在、協会から我々地域スタッフ及びメイトに対して事業報酬という形で業務委託料(協会内部では「事務費」といいます)が支払われています。その事務費には、消費税法第4条第1項、第2条第1項第8号・9号に基づき、消費税が課税されます。

その支払いについては、事務費と消費税は別々に支払われるべきで、本来は事務費+消費税 =受取総額(外税方式)という形で支払われるものです。しかしながら、協会は我々が受け取る分には消費税も含まれている(内税方式)と主張しています。では外税方式と内税方式では何が違うのか?そして何が問題なのか?

具体例を挙げますと、契約取次の事務費単価が1件1,000円とします。


これが外税方式の場合、
  
 
事務費 (1,000円)+消費税8%(80円)=受取総額(1,080円)となります。

これが
内税方式の場合、
  
 
受取総額(1,000円)=事務費(926円)+消費税8%(74円)となります。

つまり、この内税方式による事務費の支払いは、消費税率だけが上昇し、事務費の単価には変更がないという条件の下では事務費の実質切り下げ(外税方式なら1,000円 内税方式なら926円)を意味するのです

 平成元年4月1日に消費税率が3%でスタートし、平成9年4月1日に税率が5%に引き上げられましたが、その際、地域スタッフに支払われる事務費単価の中に金額が据え置かれたものがありました。このことは消費税率上昇分(2%分)だけ事務費が切り下げられたことを意味します。要するに、事務費単価に税率引き上げ分を転嫁しないと我々地域スタッフの事務費収入の減少に直結するのです

 例えば、年収600万円で消費税率が5%の場合、消費税分は30万円に相当し、前述の内税方式と外税方式では実質的な事務費収入に大きな差が出るのは明白です。にもかかわらず、税率が5%に改定された際も、また平成16年4月に消費税における事業者免税点制度の適用上限(納税義務の免除)が課税売上高3,000万円以下から1,000万円以下に引き下げられた際も、我々組合に対して協会からは何の説明もありませんでした。その後、我々は組合の顧問弁護士からの指摘を受けて、協会が我々地域スタッフに対して消費税を支払っていなかったことに気付いたのです。

 2.春闘における協会の回答

我々は春闘において協会に対し、平成15年度春闘より消費税の支払いを求めて毎年、粘り強く交渉して参りました。にもかかわらず、協会の回答は「消費税導入時より、事務費は内税方式で支払っており、事業者免税点制度の適用上限が課税売上高3,000万円以下の際は該当者がいなかったため伝える必要がなかった、事業者免税点制度の適用上限が課税売上高1,000万円以下に引き下げられた際には、対象となる地域スタッフには個別に口頭で伝えた」というのみです。本来、我々地域スタッフが協会との間で取り交わす委託契約書の報酬規程には「(事務費)単価は毎年4月、甲乙協議の上決定する」となっており、春闘の場等で協議して決められるものです。しかしながら、内税方式による事務費の支払いに対して、我々は組織として1度たりとも協会とは合意していません(もちろん文書も取り交わしていませんし、そのことは協会も認めています)。

 つまり、我々の無知に付け込んで、協会は地域スタッフに対し実際には消費税の支払いをしてこなかったのです。協会が我々地域スタッフに対し、払ってもいない消費税を当初から内税方式で経理処理をしているというのは詭弁であり、我々との間に合意もなく一方的であることが委託契約書に違反しているだけでなく、不当利得行為にあたるのです。おそらく組合が消費税の不払いを指摘するまでは協会自身も地域スタッフへの消費税の支払いは想定していなかったのではないか、と推察されます。我々はこのような協会の一方的な不作為と反省しない態度を断じて許すわけには参りません。

 3.外税表示への変更


 協会は消費税率の引き上げの動向を受けて、事務費における消費税は平成25年1月支払分より外税表示に変更しています。このことは我々組合が永年主張し続けてきたことを部分的に反映させた結果ではありますが、単に読み替えただけで、あたかも以前から消費税を払ってきたかのような既成事実化を図っているのであり、実質事務費を切り下げてきたことに対する回答ではなく、根本的な解決には至っていません。

 世間的には公共放送としてコンプライアンスの重要性を掲げ、社会の不正を報道していますが、自らの内部のこととなると、その自己中心的な体質は2004年からの一連の不祥事以来、基本的には変わっていません。財政面でのチェックが厳しくなっただけのことで、公共放送とは名ばかりです。

以上の理由により、
我々は協会に対し、消費税相当分の未払い事務費を遡及請求するとともに我々に対する謝罪を求めてきたのです。我々はこの問題の解決を目指して今後も協会を追及し続けて参ります。

 4.これまでの経緯
平成元年4月 消費税導入、税率は3%、事業者免税点制度の適用上限は
「課税売上高3,000万円以下」
平成 9年4月 税率が5%に引き上げ、事務費単価は据え置かれたものが多い
 平成15年4月 春闘で消費税の支払を求めて初交渉、協会は内税で払っていると主張
 平成16年4月 事業者免税点制度の適用上限が「課税売上高1,000万円以下」に
 平成23年6月 協会の消費税問題の回答に不満のため、本年以降春闘は妥結せず
 平成25年1月 協会は事務費1月支払分より外税表示に変更