日本放送協会スタッフユニオン NHK 地域スタッフ メイト 労働組合

日本放送協会スタッフユニオン執行本部 大阪市中央区大手前4-1-20 NHK大阪放送局内
17’春闘交渉報告(4月実施)

17’春闘交渉報告(4月実施)

協会との間で今年2月に引き続き17’春闘交渉(第2回目=4月交渉)を行いましたので遅くなりましたがご報告致します。今年度の春闘交渉より我々組合の要求を反映させるために国会での協会予算審議が始まる3月以前に第1回目交渉(2月)を実施、その際に出した要求の回答を第2回目交渉(4月)で得るという形式の下で行われました。

-交渉1日目-

【開催場所】大阪放送局15F第8会議室

【出席者】(組合側)東副執行委員長、森田書記長、清水特別執行委員、大阪全労協・友延事務局次長

     (協会側)大阪営業推進担当部長、他3名

①初日午前交渉(業務関連要求交渉)平成29年4月6日(木)11:30~13:00 

午前においては今年2月に行われた第1回目の春闘交渉で各種データ(過去5年間における法人・地域スタッフによるクレームの内訳、クレーム数の多い法人名の開示、特別指導で解約となった地域スタッフ数等)の提出を要求していましたが、書面での回答は得られませんでした。特に法人名の公表に対しては協会は強く拒否、また各項目のデータも局所により判断基準が異なるので集計していないという回答でした。協会の不誠実な回答に対し、我々組合は強く抗議・再度データの開示を要求したことで協会側は「クレームの割合は局所にもよるが概ね法人が7割~7割半程度、地域スタッフが3割~2割半程度である」と回答しました。クレームの多い法人への対応について協会は「改善指導は行うがクレーム数の多さだけで解約することはない」とし、また特別指導の最終段階での地域スタッフの解約数は関西ブロックにおける人数は公表したものの、全国のデータは集計していないとの回答でした。協会との交渉は営業総局対応であるにもかかわらず、全国の数字が出せないという相変わらず不誠実極まりないものでした。

法人に関するデータとしては、今年4月現在において公開競争入札法人が92地区(1,339万世帯)、エリア型法人が335地区(1,518万世帯)を管理しているところを協会の平成29年度収支予算・事業計画においては、公開競争入札法人が103地区(1,495万世帯)で前年比+12地区(+152万世帯)、エリア型法人が345地区(1,614万世帯)で前年比+36地区(+131万世帯)と更に拡大しています。同時に地域スタッフの要員計画数は1,700人から1,400人(前年比▲300人)と更なる減少を見込んでおり、協会が法人に傾斜した地域スタッフ軽視の営業計画を更に推し進めていることを表しています。

②初日午後交渉(処遇改善要求交渉)平成29年4月6日(木)15:15~17:00

午後からは主に処遇改善交渉を行いました。我々は交渉の中で、2月の交渉の経緯を踏まえて協会の地域スタッフ全般に関する現時点での考えを聞きました。協会は「地域スタッフの解約は特別指導の運用基準に則って実施するというこれまでの方針に変更はない、業務環境と自身の状況を考えて自ら解約を選択する地域スタッフの方もいる」とし、法人委託の拡大方針については「協会の3か年経営計画に基づく既定路線であり変更はあり得ない」としました。組合は協会の考えに対し、将来の受信料制度維持には地域スタッフの存在は必要不可欠であること、法人が対策しない劣悪な地域を地域スタッフがカバーしている現状も含めて強く改善を訴えました。にもかかわらず、協会は地域スタッフの現状を顧みることなく組合の処遇改善要求に対して「運営基本額の増額要求に対しては営業経費の節減という営業改革の中で増額分の原資の確保が困難であること、業績に連動していない部分の増額は世間の理解が得られないので検討していない」と反論しました。ただ、平成28年度の実行値が当初の想定よりも低かったことを考慮して業績基本額・単価事務費については改善を検討することを示唆しました。

-交渉2日目-

【開催場所】大阪放送局15F第8会議室

【出席者】(組合側)東副執行委員長、森田書記長、清水特別執行委員、大阪全労協・但馬副議長

     (協会側)大阪営業推進担当部長、他3名

③2日目午前交渉(協会の方向性に対する組合の見解)平成29年4月7日(金)10:30~10:50

午前交渉では協会が前日交渉で示した今後の方向性に対する組合の見解を述べました。まず、昨年のモデル値と比較して平成28年度の実行値が大幅に落ち込んでいる状況を踏まえて現場環境が更に悪化していることを指摘、このような状況の中で協会の示した回答では月額4,000円~5,000円程度の改善にしかならず、年収ベースに換算しても落ち込み分をカバーできるものではないと考えており、到底納得出来るものではないとの見解を示しました。地域スタッフの処遇環境の悪化を示すデータとして、協会の平成29年度の契約収納費にかかる予算を見ると、法人は213.7億円(前年比+22.2億円)で増額、地域スタッフは97.4億円(前年比▲23.5億円)で減額となっており、予算上でも協会が法人委託の拡大及び地域スタッフの削減を推進していることは明白です。しかしながら、協会が推し進めている営業改革は極端な実績至上主義に基づくものであり、結果的に営業現場におけるクレームの急激な増加を生み出す事態に陥っており、このことは法人委託拡大の裏にある負の側面とも言えます。当然ながらクレームの急激な増加は協会に対する視聴者からの著しい信用低下を招いており、その果てには受信料制度の崩壊があるとの懸念を伝えました。組合は受信料制度維持のためにも特別指導による地域スタッフの解約の中止を要求しました。加えて、現在の社会情勢ではパートやアルバイトも賃金が上昇傾向にあること、政府が非正規労働者の待遇改善やワークライフバランスの確立等を目指して「働き方改革」を推し進めていることにも言及し、組合の第一の要求である運営基本額の増額は世間の理解の範囲内のものであると主張しました。協会のモデル値はあくまでも机上の空論であって現場実態に見合っていない、また頻発する職員や法人社員による不祥事の悪影響が実行値の落ち込みの大きな要因として挙げられることも厳しく指摘しました。

④2日目午後交渉(総括交渉)平成29年4月7日(金)13:40~14:50

組合は午後交渉において春闘要求書で示した当初の要求項目について協会に対し再考を求めました。交渉の中で、業績に連動した部分の増額は地域スタッフ1人当たりの業績が低下している現状においては然程改善にはならず、事務費収入において最も基盤となる運営基本額の増額なくして改善はあり得ない、協会と我々の関係は業務委託契約といえども労働者である以上、その生活基盤を守るのも使用者側の責任であると強く主張しました。これに対し協会は「業績の低い地域スタッフに十分な報酬で応えるという考えはなく、高業績高処遇という従来の考え方に変わりはない、事務費収入を確保するために法人と競って業績を確保して欲しい」という従前の回答を繰り返すばかりでした。組合は単独で営業活動を行う地域スタッフと組織的な営業活動が可能な法人とでは同じ土俵でも業務における効率が違う点を指摘しましたが、協会は「業務委託契約においては法人と同じく地域スタッフにも一定水準の業績を求める姿勢に変わりない」との回答でした。組合は実際の事務費収入が仕事量に見合わなくなってきていること、そのことで人材の確保が難しくなることへの懸念、法人との地域格差の拡がり、交通費等の経費も自己負担していること等を背景に説得を試みましたが、協会は従前の立場を説明することに終始するばかりでした。そこで水掛け論のような議論を進展させるため組合側から協会に対し、運営基本額の部分に積めないのであれば業績に連動した部分に大幅な上積みを検討することを要求し、一旦交渉を打ち切りました。

⑤2日目夕方交渉(再検討結果報告及び追加回答)平成29年4月7日(金)18:45~18:50

森田書記長と協会窓口担当副部長との間での事前交渉の後、上記日程において協会から業績基本額の各テーブルにわずかな上積みの追加回答を得ました。組合は一旦持ち帰り検討するということで2日目の交渉を終えました。

-春闘総括-

2日間の春闘交渉を終えて本部執行部内で議論を行った結果、4月8日(土)午前、協会に対し今年度も収束できない旨を通告しました。収束できない理由としては、①2月に交渉を行ったものの地域スタッフに支払う事務費予算の原資が増えていないこと、②協会の回答において、我々の最も重要な要求である「運営基本額の増額」に全く応えておらず、生活基盤を守るという使用者側の責任を果たしていないこと、③業績基本額の上積み回答では減少の一途をたどる事務費の補填にはなっていないこと、④低業績に陥っている原因の一端が職員の度重なる不祥事にあり、その補填が今回の回答には加味されていないこと、が挙げられます。

今年2月に発足した、大学教授ら有識者で構成されるNHK受信料制度等検討委員会(NHK会長の常設諮問機関)において「次世代の受信料制度やその運用のあり方」についても議論が始まっています。このテーマは委託制度の根幹にもかかわる極めて重要なものであり今後の協会の動向が注目されます。と同時に、我々自身の生活を守るため労働組合活動の強化がより一層必要となっていくと考えます。

最後になりましたが、ご多忙中にもかかわらず昨年度に引き続き大阪全労協関係各位の多大なるご支援をいただきまして、第2回目の春闘交渉を闘うことが出来ました。特に、2月春闘交渉に引き続き参加していただきました但馬副議長、友延事務局次長には厚く感謝申し上げます。

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