日本放送協会スタッフユニオン NHK 地域スタッフ メイト 労働組合

日本放送協会スタッフユニオン執行本部 大阪市中央区大手前4-1-20 NHK大阪放送局内
18’春闘交渉報告

18’春闘交渉報告

組合の本部闘争委員会は協会に対する平成30年3月20日付18’春闘要求書の提出を踏まえて、下記日程におきまして協会との間で18’春闘交渉を行いましたのでご報告致します。

-交渉1日目-

【開催場所】大阪放送局15F第8会議室

【出席者】(組合側)矢野執行委員長、他本部役員2名、大阪全労協・友延事務局次長

     (協会側)大阪・営業推進 専任部長、他副部長3名

①第2回団交(業務関連要求交渉)平成30年4月11日(水)11:00~12:00 

長年の懸案となっている特別指導の運用の改善を求めて交渉を行いました。協会は昨年末に発表した『NHKグループ働き方改革宣言』の中で、「業務に携わるすべての人の健康を最優先に考え、これまでの慣行を打破して働き方を抜本的に見直す」としていますが、特別指導(=最終的には委託契約の解約につながっておりスタッフにとって身分保障にかかわる協会独自の業績評価制度)の運用の在り方に対して、組合は以前からその見直しについて交渉してきました。我々は交渉の中で、スタッフが協会が設定する過度な営業ノルマの確保を最優先とするあまり、結果的には健康を阻害(病気・怪我・業務途上における事故の発生等)するリスクが高まっており、特別指導の運用の見直しは働き方改革に直結していることを訴えました。同時に、クレームの増加(受信契約をめぐる全国の消費生活センターへの相談件数が過去10年で4倍以上に急増しているとの報道あり)は法人委託拡大による弊害であり、法人と比較してクレームの少ないスタッフに対する委託契約期間内の業績不振を理由とした解約を中止すること、業績評価における現行斟酌を恒久的なルールとすること、また現行の個別評価方式から総合評価方式へ改めること等を求めました。それに対し、協会は受信契約収納業務を委託する業務発注者の立場として、特別指導の現行の運用には一定の合理性があるとのこれまでの主張を繰り返すばかりでした。

②第3回団交(処遇改善要求交渉)平成30年4月11日(水)13:30~14:30

午後からは主に処遇改善交渉を行いました。協会は交渉の中で平成29年度第4期末(11月末)までの営業業績は前年実績を下回る水準で推移していたものの、昨年12月の最高裁大法廷判決以降、営業業績が上昇傾向にあり平成29年度営業業績は当初の計画を大きく上回る結果となるとの速報値を示しました(対営業計画比において総数増加153.1%、衛星増加128.4%の実績)。組合は上昇した原因としては最高裁判決の報道を受けてインターネットや電話等による視聴者からの自主申し出によるものであり、営業現場は依然として厳しい状況にあることを指摘しました。その現場実態を踏まえて、昨年に引き続き運営基本額の増額と支払要件の緩和を要求しました。特に大都市圏の営業現場は法人委託の影響により依然として極めて厳しい状況にあり、現行の支払要件(当月業務従事実績20ポイント)を毎月全国一律に適用することは現場実態に見合っておらず、スタッフの事務費確保の大きな障壁となっていることも強く訴えました。これに対し、協会は現行の支払要件は協会が求める最低水準であるとし、営業経費削減を求められている中で固定要素の強い運営基本額の改善は考えておらず、我々が求める運営基本額の増額幅は今のご時世では考えられないと反論しました。さらに協会からは運営基本額は業務の困難性を考慮して(敢えて)残しているとの発言があり、将来的には運営基本額の廃止の可能性も有り得るようなニュアンスでした。

③第4回団交(処遇改善要求交渉)平成30年4月11日(水)15:40~16:30

協会から改定を予定している項目の説明がありました。前段での説明の通り固定要素の部分の増額はなく、単価に関しては契約取次基本単価事務費(特にD・E区分)をはじめ、例年と比較して増額を予定しているものが多く、業績加算額においても各セルの一定率の改善と併せて、今後も業績に連動させた高業績高処遇の事務費設計となることを示しました。その中で特筆すべきは月例事務費においてはクレジット取次加算事務費、対策関係事務費においては無料転入取次(免除契約)事務費、家屋補正・基盤整備事務費、集合住宅衛星把握事務費の新設等が挙げられます。特に無料転入取次事務費は転入に限定したものではありますが、組合が数年来要求し続けてきたものであり、今回初めて獲得するに至ったことは評価できます。協会は平成30年度の処遇改善に関しては平成29年度と同一実績の場合、総体としては約3.5%程度の改善を示しました。

-交渉2日目-

【開催場所】大阪放送局15F第8会議室

【出席者】(組合側)矢野執行委員長、他本部役員3名 (協会側)大阪・営業推進 専任部長、他副部長3名

④第5回団交(処遇関連要求総括交渉)平成30年4月12日(木)11:00~12:00

処遇改善に関して総括交渉を行いました。昨日に引き続き改めて運営基本額の増額と支払要件の緩和を要求しました。また、5年前との比較において協会が毎年の春闘交渉において示すモデル値自体が約2割減となっており、更にここ数年は実行値がモデル値を下回る結果となっており、もはや単価の増額等では対応できない程に事務費の設計自体が現場実態とかけ離れていることを指摘しました。これに対し、協会は厳しい現場状況であるとの認識はあるものの、業務委託における事務費の支払いにおいて固定要素の強い運営基本額を改善するといった方向性は持ち合わせていないとし、これまでの通り高業績高処遇の基本方針に変わりはないことを断言しました。また、モデル値は目指してほしいと考えているものの実行値とかけ離れているから増額せよといった要求は受け入れられないと反論しました。

⑤第6回団交(業務関連要求交渉第2回目)平成30年4月12日(木)13:30~13:50

昨日に引き続き業務関連要求交渉を行いました。組合は法人委託拡大の煽りを受けているスタッフに対し適正な地域と量を交付することを求めました。具体的には、法人の過剰投入と強引な取次等により地域が荒廃したために以前と比較してスタッフの取次実績と事務費が低業績で推移している実情を踏まえ、協会の責任において法人の過剰投入を抑えることで地域の質の適正管理に努め、スタッフが十分な生活ができるだけの事務費を確保することが可能な程度の量を交付すべきであるということです。実際の話として既に交付量が約2割程度減っている局所があることについても言及し、局所によって交付量に差があってはならないとし改めて各局所への確認と改善を求めました。これに対し、協会は世帯数の伸びは鈍化しており今後の社会情勢を見通すと業務量の確保は重要であるとの認識を示し、変化する社会状況に対応するためにも現行体制に移行した3年前と同様、平成30年度下半期以降も新体制にて臨む予定であるとの説明を行いました。期初頭の交付量については、局所によって運用は異なり、例えば業績を確保しているスタッフを対象に追加交付といった形で対応することはあるが、全体的には減っていないと考えていると回答しました。協会は平成29年度末における支払率80%、衛星割合51%の達成はこれまで業務改革に取り組んできた成果であることを強調しましたが、我々は平成16年以降の一連の不祥事がなければ、もっと早期に達成していたのではないかと指摘しました。組合はその他に下半期以降に新設予定の特別スタッフの処遇(要員数や途中で変更可能かどうか等)に関する質疑を行い、また特別指導の運用についても局所における最大限の配慮を再度求めました。

⑥第7回団交(回答書を受け取る)平成30年4月12日(木)18:00~18:05

組合は今次春闘要求書に対する協会からの回答書を受け取り、持ち帰り検討すると回答しました。

-交渉3日目-

【開催場所】大阪放送局15F第8会議室

【出席者】(組合側)矢野執行委員長、他本部役員3名 (協会側)大阪・営業推進 専任部長、他副部長3名

⑦第8回団交(交渉の打ち切り通告)平成30年4月13日(金)13:30~13:35

我々組合は収束に向けて前向きに検討していましたが、収束をめぐる事前の窓口交渉において事態が急展開となり、今次春闘交渉の打ち切りを通告しました(詳細は後述)。

-春闘総括-

2日間の春闘交渉を終えて本部執行部内で議論を行った結果、4月13日(金)の午後交渉において、協会に対し今次春闘の交渉を打ち切る旨を通告しました。協会は今年度の春闘交渉の回答の中で、例年以上の各単価の改善や無料転入取次(免除契約)に対する事務費の新設(平成30年度第6期~)等を示し、我々がここ数年の交渉の中で訴えてきた事務費を初めて導入する等、処遇改善において評価できる点が多々あったにもかかわらず、我々組合は今次春闘において収束しないことを決断するに至りました。収束に至らなかった理由としては、①昨年に引き続き、協会とは運営基本額に対する考え方に大きな隔たりがあり、我々の最も重要な要求である「運営基本額の増額」に全く応えておらず、生活基盤を守るという使用者側の責任を果たしていないこと、②協会は異業種の民間企業にまで法人委託の募集案内を行っており引き続き法人委託拡大の方針(公募型企画競争等による法人委託とエリア型法人委託の予算・対象世帯数合計=平成30年度予算は前年比+35.8億円の249.6億円、同対象世帯数は前年比+303万世帯の3,412万世帯を予定)を示しているが、組合はこれ以上の法人委託拡大に反対していること、③協会との間で春闘における収束をめぐり協議したものの、その認識に齟齬が生じており組合としては譲歩できなかったため、が挙げられます。

今後、協会は平成30年度下半期以降の新体制において「特別スタッフ」を新設し歩合給の割合を強めた事務費設計を導入する予定です。更に成果主義の傾向が強まることで今後は協会にとって経営課題となっているクレームが更に増加し、また、スタッフ間の処遇における格差が拡がることも懸念されます。併せて、協会は従来のスタッフに対し、(スタッフとは競合しない地域において)取次業務も可能となったメイトへの移行を促進する等して、スタッフ等の営業経費(平成30年度予算は前年比▲13.1億円の84.2億円)及び要員数の削減(平成30年度要員数は前年比▲300人の1,100人を予定)を着実に進めようとしています。我々組合は組合員の生活を守るために本部支部間の連携を緊密にすることでより一層団結を強め、労働委員会等外部の公的機関への申し立ても視野に入れ、今後もスタッフに関する経費と要員数の削減を進める協会に対しては毅然とした態度をもって対峙していく決意です。

最後になりましたが、ご多忙中にもかかわらず昨年度に引き続き大阪全労協関係各位の多大なるご支援をいただきまして、今次春闘交渉を闘うことが出来ました。特に、昨年に引き続き参加していただきました友延事務局次長には厚く感謝申し上げます。

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